小説「バビル2世」のお話しの続き エピソード3
こんにちは。
今回も引き続き「昭和な落書きブログ」のみく。さんの
小説「バビル2世」の続きのお話しです。浩一くんと由美ちゃんのその後について。
みくさんの許可を得て、みくさんの言葉をお借りしながら、ご紹介していきます。
「無断転載、盗用、パクりなど、固くお断りします」
浩一くんと由美ちゃんは、一体どのようにして、お互いの中の気持ちに気付いていったのか…
(北海道)
北海道で再会を果たした後、1年後の夏休みに再び由美ちゃんが北海道へやってきます。
ある日、浩一くんは馬で由美ちゃんと共に、湖にやってきました。由美ちゃんは馬から降りると
湖ではしゃぎ足を取られて倒れ込み、ズブ濡れになってしまいました。
そのため、2人は慌てて牧場まで引き返す事に・・・。
浩一くんはズブ濡れで服の中が透けて見えてしまう由美ちゃんにドキドキしながら
上着を脱いで由美ちゃんに着せます。浩一くんは上半身裸。
今度は、由美ちゃんもドキドキが止まりません。
牧場に帰ってきてもドギマギしてしまう2人。
そんな様子を見て、由美ちゃんの事をからかうユキちゃん・・・。
ユキちゃんに言われた事で、由美ちゃんもさらに混乱してしまいます。
浩一くんの顔を見ると思わずサッと逃げてしまい・・・。
??な浩一くん。
「おはよう由美ちゃん」
「…!!」
翌日もまともに浩一くんの顔が見れない由美ちゃん。
再び逃げようとするから、由美ちゃんの腕を掴む浩一くん😂
「由美ちゃん!」
「なんか怒ってるのかい?」
「怒ってないわ」
「だったら、どうして逃げるんだよ」
「逃げてない」
そして、じっと見つめられて我慢できずに…
「ごめんなさい!」
逃げる由美ちゃん。🤣
「なんなんだよ。一体」
困惑する浩一くん。
さすがにユキちゃんも気がついて、浩一くんに由美ちゃんをからかった事を話します。
「ユキちゃん、君の事をからかって悪かったってさ。機嫌直してくれよ。由美ちゃん。」
ようやく由美ちゃんも冷静になって…。
「こっちこそごめんなさい」
ユキちゃんも由美ちゃんに謝ります。
ようやく由美ちゃんは、表面的には普通に戻ります。
そして、由美ちゃんが東京に帰る日。
帰りの飛行機の中で急に泣けてきてしまい・・・。
「あれ?」ってなる由美ちゃん。
一方、浩一くんも心にポッカリ穴が空いたような・・・。
「去年は会えてホッとしただけだったのに…何だろう?この気持ちは?」
戸惑う浩一くん。
(東京と北海道)
2人は手紙のやりとりをしていますが、今回はお互い何を書いていいかわからず悩みます。
書いてはグチャグチャにして捨てる。浩一くんと由美ちゃんは、2人共同じ事をしています。
手紙が出せない、来ない、で、悶々としたまま日にちだけが過ぎていきます。
何でこーなっちゃうのか?
2人共勉強にも身が入らなくてかなりマズイ状態。失敗も多くなり…。
さすがにママや、ワタリ牧場の太郎おじいさんも、様子が変な事に気づきます。
「由美子、どうしたの?最近勉強にも身が入ってないみたいだし」
一方、浩一くんも、馬の世話でポカが多くて、おじいさんに言われてしまいます。
さすがに、浩一くんも由美ちゃんも、お互いの事が気になって他の事に身が入っていない事に気づきます。
どうして?
由美ちゃんは、浩一くんの事を考えるだけで胸が締め付けられそうになります。
浩一くんも由美ちゃんに会いたくてたまらない。まだ、会ってから1ヶ月も経ってないのに。
中々手紙も書けないので、二人共思い切って長距離電話をしようと思い立ちます。
ところがずっと話中で、電話は繋がりません。実は、2人が同時にかけている為、ずっと話し中状態になっていました。
やっと浩一くんの方からの電話が繋がって、鳴った瞬間に、由美ちゃんがすぐ出ます。
「ずっと話中だった?」
「そっちこそ話中だったろ?」
「さっきから、ずっとかけてたけど繋がらなかったのよ」
「!?」
「こっちもだよ」
「え?じゃあ私達ずっと同時にかけてたってこと?」
「そうなるね。」
「まあ!」
2人して笑い出す。かなり和みます。
「用件なんだった?」
「そっちこそ」
「いや。特にないんだけど、手紙中々書けなかったから…」
「私もなの。ごめんなさい。」
浩一くんが笑います。
「2人して同じ行動ばかりしてるみたいだな。」
「ホントにそうね。」
「ごめん。今度、ちゃんと手紙書くよ。」
「じゃ、届いたら返事するわ」
「うん。じゃあ、遠距離だから、お休み。」
「お休みなさい」
電話を切ります。
2人共すごくホッとしつつ、ルンルン気分です。
我に返って、何だこれは?、となる2人。
頬杖をついて物思いにふける由美ちゃん。
由美ちゃんは我慢できずに手紙を書こうとしますが、ハッとして
浩一くんから手紙が来てから返事するんだったと思い出します。
ベッドでゴロ寝をして考え込んでいる浩一くん。
浩一くんは、何でこんなにドキドキするのか?
夏休みに会った時の事も含めて思い返しています。
実は、電話で話した後、浩一くんはまた肝心の手紙を書く事ができていません。
手紙を書くより、由美ちゃんに会いたいとふと、思ってしまいます。
「あれ?なんだこれ。」
ベッドから起き上がる浩一くん。
由美ちゃんが帰る時も寂しい気持ちがあったな、と思い出します。
去年よりも、別れたくない気持ちが・・・、離れたくない気持ちが強かったことも。
「由美ちゃんと離れたくない?何だこれ?」
ハッとした浩一くん。
「この気持ちって・・・」
彼は、自分自身の由美ちゃんに対する気持ちに気づきました。
その一方、由美ちゃんは・・・
「何よぉ、浩一くん、手紙を書くって言ってたのに、ちっとも来ない!!」
毎日ポストを確認してはガッカリ、を繰り返している由美ちゃん。
浩一くんの方も相変わらず、手紙に何を書けば良いかを悩んでいます。
自分の気持ちに気がついてしまい、余計に書きにくくなってしまった。
手紙でいきなりその想いを書くわけにもいきません。
肝心の由美ちゃん自身の気持ちもわからない状態なので、書く事に躊躇してしまいます。
苦肉の策で、
「ネタ思いつかなかった。ごめん。」とハガキを出す事にします。
それを受け取った由美ちゃんは。
ようやく浩一くんからの手紙が届いた、と思ったら、それがハガキだった事と、実際に中を読んで・・・。
「はああぁーっ?! 何よこれ!」
と怒ってしまいます🤣
由美ちゃんは、怒りの手紙を書く気持ちになってしまいます。
ただし、中身はやんわりと。
「手紙、楽しみにしてたのにハガキで残念でした。(嫌味で丁寧語)
そんなに忙しいのかしら?(嫌み)
さて、こちらでの近況です。」
という具合に、日常について7枚〜8枚くらい、便箋にビッシリ書いて送ります。(嫌み)
その手紙が届き、由美ちゃん怒ってるなーってわかって焦る浩一くん🤣
さすがに浩一くんも、次は普通に手紙を書いてすぐに送ります。
そして、自分の気持ちについては、来年、由美ちゃんに会った時にキチンと話そうと決意します。
そんなこんなで、手紙のやりとりだけは、一応通常通りに戻ります・・・。
(エピソード)
実はこの手紙の一件を由美ちゃんは、親友の君子ちゃんにグチります。
君子ちゃんも由美ちゃんの行動に笑うけれど、浩一くんとの手紙のやり取りが1ヶ月に何度もと知って驚き、
「ホントに仲が良いのね」と言われてしまいます。さらに、
「恋人でもない限り、そんなに手紙のやり取りなんてしないんじゃないの?」とまで。
そんな事まで言われてしまい、由美ちゃんはドキッとしてしまいます。
自分達は当たり前みたいにやり取りしていたけれど、それって普通じゃないのかな?なんて事も思います。
でも、浩一くんから手紙が来ると嬉しいし、書くのも楽しいし。それに、ハガキが来れば腹が立つし🤣
由美ちゃんはちょっと考えます。
それから、ママに話してみます。
「浩一くんとの手紙のやり取り、多いと思う?」
ママは笑って、
「それだけ話したい事があるんでしょ。貴方達は。」
と言われてしまいます。
「話したいから手紙のやり取り!」・・・由美ちゃんはハッとします。
そう、浩一くんと話したいから、だと思う。
ハガキ来て腹がたったのも、それは浩一くんと話せなかったみたいで、しかもはぐらかされたみたいで、それで腹がたったんだ、と思う。
由美ちゃんは、浩一くんだからこそ、話す事が一杯でやり取りも多いんだと思いました。
「浩一くんだから?」
ここで、由美ちゃんもあれ?って思います。
どうしてかなーって。
2年も離れ離れだったから?
急にいなくなって寂しかったから?
やっと会えたのに、お互い前みたいに一緒に暮らせないから?
何か違うような気がする・・・。
その時、由美ちゃんは今年の夏に会った時の事を思い出します。
浩一くんにドキドキして、顔を合わせられなかった事・・・。
そして、飛行機に乗った後で急に泣けてきた事・・・。
「あれ?私…」
「浩一くんの事が好き?」
由美ちゃんもようやく、自分の気持ちに気づきました。
君子ちゃんに手紙の件で恋人って言われた事を思い出し、真っ赤になる由美ちゃん(今更ですが)。
両手で顔をおおい、どうしよう、とかなり動揺して焦ります。
しかも、浩一くんに散々嫌みを書いた手紙を送った事をも思い出し、物凄く後悔する由美ちゃんですが、後の祭り🤣
とにかく気持ちを落ち着けます。
さすがにあれを読んだ浩一くんからは、速攻で返信の手紙が返って来たので、逆にホッとする由美ちゃん。
次の手紙では嫌味を謝りつつ、普通に書いて送ります。
由美ちゃんも、自分のこの気持ちをどうしたらいいのか、を考えます。
そして、来年の夏休み、浩一くんに会った時に(ちゃんと言えるかどうかはわからないけれど)、キチンと伝えようと。
そして翌年の夏休み。
2人は告白の時を迎えるのでした❤️
ストーリー : みく。
文章の下書き: 碧いうさぎ
校正とチェック: みく。